A’Kの映画紹介

こちらは映画紹介をテーマとしたブログです。 内容はあくまで個人的感想です。 毎週水曜日に1作品ずつ、ジャンル不定で更新していきます。

俺は、お前を、殺したぞ!

不定期更新 2017年11月17日
GODZILLA 怪獣惑星
GODZILLA : PLANET OF THE MONSTERS
30_GODZILLA-怪獣惑星

史上初となるアニメ映画版のゴジラ。
予想していたよりもずっと面白かったです。

私は自他共に認めるゴジラオタクです。
それで正直に言うと、アニメ版ゴジラは全く期待していませんでした。
昨年の『シン・ゴジラ』公開後、恒例のように様々なメディアで製作の舞台裏を調べて回ったわけだが、東宝側は製作費が回収できるかさえ危険と判断しており、ゴジラに対してほとんど期待をかけていなかったと私は思っています。
『シン・ゴジラ』の企画が進んだ段階で別のゴジラ映画(本作)の企画が持ち上がっていること、同時にハリウッドでシリーズ化も決定していたこと、実写特撮ではなくアニメにしたこと。
私はこの3つの事実からアニメ版ゴジラは「『シン・ゴジラ』が失敗することを見越した資金回収用の映画」と考えるようになり、しかも特撮を捨ててアニメにしたことは「特撮ではハリウッドのCGとは勝負できない」という本家東宝からの敗北宣言にも感じられ、はっきり言ってかなりモヤモヤして過ごしていました。

しかし、前日譚となる『GODZILLA 怪獣黙示録』を読んだあたりから気持ちは変わってきます。
(読まなくても映画は楽しめるので問題は無い)
そして今日、映画を観て先述の負のイメージは払拭できました。
この映画は冒頭5分で世界観・歴史・現在の状況をこの作品独自の名称を交えて一気に説明されます。
ゴジラはここで少しだけ登場しますが、本当に少しだけなので見せ場とは言い難いです。
以降60分くらいは人間ドラマが続きます。
もうこの時点で明らかにこの作品が子供やファミリー層、および私達ゴジラオタク向けに作られていないことが分かりました。
メインターゲットは「特撮は見ないがアニメは見る大人」でしょう。
こういった作品は私にとっては新鮮でした。
最後の30分は怒涛の30分、時間を忘れるほど楽しい時間でした。

今作におけるゴジラの生態は、食い入るように見たが1回では理解できませんでした。
ゴジラと言えば放射能だが、今作のゴジラが発生させるものは電気。
体組織が金属に似ているため電気を発生させられるらしい。
熱線はガンダムなどでお馴染みの荷電粒子砲の原理で放ち、敵の攻撃を受けると非対称性透過シールドなる不可視のバリアを張れるらしく、絶対の防御を誇るが実はここに弱点がある。
たぶんこんな感じでしたが、こういった説明がかなり細かく劇中で説明されます。
こういった「システム」の作り込みが虚淵氏らしい。

最後に、この作品の監督脚本担当の3人は、パンフレットで「ゴジラは特撮でやるべき」として一度断っている旨のコメントをしていました。
特撮の王道は『シン・ゴジラ』が進めるから、自分たちは新しい道を開拓する務めを任された、と。
着ぐるみを捨て、特撮を捨て、そうしなければゴジラは本当に死んでしまっていたかもしれない。
(現在ガメラが半殺しになっているように)
またあの頃のような特撮のゴジラが観たい気持ちはすごくあります。
ですがそれに拘るせいで作品が楽しめないのは損です。
しかも私たちのせいでゴジラ自体が死んだら最悪です。

だから私たちオタクがすべきことは、自分のゴジラ像を押し付けないこと。
そして映画館に行くこと。


スポンサーサイト
映画紹介 | コメント:0 | トラックバック:0 |

このままでは邦画は死んでしまう

 邦画業界は今後どうなってしまうのか。質が下がった、製作費が少ないなど、様々な場所で耳にするようになった。このような評価は本当なのだろうか。だとすれば原因は誰にあるのか。私は一概に監督や脚本家に原因があるとは思えない。ここでは、少しでも邦画を守るために、あくまで私個人の意見として、考えを述べさせて頂きたい。多少不快に感じる文面もあると思われるので、興味の無い方は読まないことをお勧めする。

 まず大前提として、日本の映画の収益システムは、映画製作会社にほとんど利益が入らないようにできている不思議なシステムである。このシステムが続く限り邦画という産業がハリウッドのように伸びることは、ほぼ間違いなく「無い」と断言できる。例えば、興行収入50億円となると大ヒットと言えるが、そのうち25億円(興収の50%程度)は映画館の取り分となり、5億円(興収の10~15%程度)は配給会社の取り分となり、残る20億円から宣伝費などの諸費用を引いた分が製作会社の取り分である。この額が製作費を下回れば赤字である。見ての通り、儲かるのは映画館と配給会社であり、製作会社は全然儲からないようにできているのだ。
 このシステムに立ち向かって成功といえる結果を出したのは『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』くらいのものだろう。エヴァは製作から配給・宣伝までスタジオカラー1社で行っており、大手配給会社の力を一切使わずに大ヒットした。アニメだからとかオタク向けだとか、そういう評価しかできない人は、このシステムに立ち向かった行動力と勇気を考えてもらいたい。一歩間違えば、製作はできても興行活動が一切できなくなるかもしれないからだ。今後この興収・配給システムに真っ向から立ち向かう映画が増え、そのことを知る観客が増えていけば、邦画界の未来も少しは明るくなるだろう。
(でもそうしたら日本最大手配給会社の東宝は経営傾くかな。傾いたら昔みたいに自社で良い映画作ってくれるかな。立て直しのためにゴジラの権利を中国とかハリウッドに売るとかはマジでやめて)

 一方で、作る側はどうか。映画というものは1人で作れるものではない。映画を作るために金を出してくれる人、要はプロデューサーからすれば、「その映画に出資して利益でるのか」を判断するのは当然と言える。逆に出資に見合う利益を出すことが製作者の義務といっていい。私は映画は脚本で決まると思っていて、予算の都合で求めるクォリティにならないのなら脚本を見直すべきだとも思っている。監督の作家性は確かに大事だが、作家性を追求すると一般受けしない、分かる人だけ観てくれればいい、などという芸術家スタンスで映画を作る人に、何億円もの金を出すお人好しプロデューサーなど邦画界だけでなくハリウッドにもいるわけがない。そういったスタンスで映画を作るなら、「あなたの作る映画が観たいから製作費を出させてくれ」と言ってくれるプロデューサーを探すか、先述のスタジオカラー、海外ならフランシス・フォード・コッポラやジョージ・ルーカスのように自分で製作費を捻出すれば文句はないだろう。自分の作風に自信があり、絶対売れる自信があるなら、そのようにプロデューサーを説き伏せる交渉力もいる。ただし期待された利益を出せなかった時は、今後まともに映画は撮らせてもらえないという覚悟が必要だ。映画が自主製作や非営利のボランティアでない限り、結果を出せないなら金は出さないという当たり前の経営意識をもう少し持って欲しい。

 では観る側はどうか。私は映画を観るのが好きだ。2時間程度の短い間ではあるが、自分の現実を忘れてその作品の世界に没頭できるからだ。
ただ、この「時間」の感覚が、日本人の映画離れを加速させているように思えてならない。現代日本人は、2時間も集中して観ることができる環境に無い、ということだ。日本人は、特にスマホやネットが普及してから「真剣に集中して遊ぶ」ことが許されなくなった。ここでいう遊びとは、自分の好きなことをするという意味だ。例えばスマホゲームが普及しているのも、片手間でできていつでも中断できるからだ。だから上映終了まで集中を強いられる映画が、行動の選択肢からはずされてしまうのだ。
 もうひとつ思うのは、日本人の妙な集団心理だ。「○○見た?」「見てない」「えー何で?」だったり、「○○面白くない?」「私は好きじゃない」「えー何で?」といったやり取りだ。これは大変危険だ。大多数の意見に左右されるのは実に日本人らしいが、こと趣味に関してはこのやり取りは不毛だ。観客は本当に観たいものを観に行けなくなる。もっと酷くなると、話題に乗っかっただけの観客がファンを気取る。
 私自身の体験談で前者の例を挙げると、今年は『シン・ゴジラ』や『君の名は』が大ヒットした。私はゴジラが大好きで、今作も当然のように公開初日に観に行った。「何で今更ゴジラなんか観に行くの?」「庵野のゴジラなんて観たくない」「暇なんだね」的なことを言っていた知人が8人いた(俺は覚えているぞ)。作品の評価が上がり、観客動員数が伸びるとその8人は手の平を返すように映画館に足を運んだ。全員だ。人の評価が無いと映画も観に行けないのか。
後者の例を挙げると、『スターウォーズ/フォースの覚醒』という映画がありこれも大ヒットした。批評家の評価も高かった。はっきり言うが私はこの映画が大嫌いだ。勘違いしないで欲しいが、スターウォーズは大好きだ。私にはこの映画が嫌いである明確な理由があるのだが、それを自分の感想として述べると途端に反論で袋叩きだ。99人が「面白い」と答えたら100人目も「面白い」と答えなければいけない、そういう風潮だ。そもそも100人が同じ映画を観て、100人が同じ感想を述べる方が異常なのだ。ことネットでのレビューが一般化した現代ではこの傾向が強い。中にはレビューの評価が低いからという理由で、観てもいないのに「クソ映画」などと言う人もいる。観てから言え。
 さて、ここで作る側の作家性の話を加えると、今の日本では作品の出来=集客力という構図が全く成り立たないことが分かる。話題性と世間体だけで映画を見に行く層が無視できないほど多いからだ。この層は作品として映画を観ないため内容はどうでも良く、適当な話題性さえあればとりあえず見に来る。洋画のタレント吹き替えなんかが最たる例だ。こういった風潮が続く限り、邦画の質は上がらない。今や自分1人で映画を観る観ないを決める人はマイノリティになってしまった。ただ単に、自分が観たい映画を観て、観たくなければ観ないで、正直な感想を持つだけでいいのに、だ。

 長々と書き連ねたが、邦画の質を上げるために観客側である私達ができることは、自分に正直に、観たい映画を観ることだ。製作側のプライドを感じる映画を見極めて1本でも多く観ることだ。同時にプライドの無い宣伝をしている映画は観ないことだ。そういう映画はレンタルで十分だ。
 今後の邦画界が良くなるよう、ここが少しでも役に立てれば幸いである。



徒然日記 | コメント:0 | トラックバック:0 |

不思議なレビュー

先日『シン・ゴジラ』の紹介をしました。
既に御覧になられた方も、TSUTAYAに並ぶのを待つ方もいることでしょう。

当然、「面白かった」人もいれば「つまらなかった」人もいるはずです。
好評不評の無い作品ほどつまらないものはありません。


私は上述の理由であまり人の感想に口を出すことは無いのですが、ネットなどの評価でたまに目にするこの内容の批判だけにはどうしても納得がいかない。

「内容が分からなくてつまらない映画」

以前当ブログで『フェイク』を紹介した時に同じこと言われたことがあるのですが、「内容が分からない=つまらない」って。
「内容が分かってない」ってことは「つまらない」かどうかの判断もできてないでしょ。



徒然日記 | コメント:0 | トラックバック:0 |

僕は10年先に総理になることよりも、10年先もこの国を残すことのほうが重要だ

大変久しぶりの更新になります。このまま閉めようかとも思ってたのですが、どうしても紹介したい作品があり復活させました。



シン・ゴジラ
GODZILLA RESURGENCE

引くぐらい宣伝されてて皆もう嫌になってるかもしれませんが、それでも書きます。

2年前の2014年、海を越えたゴジラはスクリーンに帰ってきました。
子供の頃ゴジラに慣れ親しんだ私達世代は大人になり父になり、かつて私達がそうされてきたように息子と一緒に映画館に足を運んでいる姿が散見され、深く感動を覚えました。
エンターテインメントとしての映画の出来は、興行収入が物語っています。
これはこれで必見の一作です。

そんな状態で日本版ゴジラの復活、製作のハードルが上がらないわけがありません。
ただし1ゴジラフリークとして確かに言えることは、

ハードルは軽く越えてました。
むしろ「怪獣映画」というある種閉鎖的な壁をぶっ壊してくれました。

以下、多少のネタバレを含みます。
未見の方は観てから読むことをお勧めします。


































(※絶賛しますが私は別に東宝の回し者ではありません。あくまで1個人の感想です。)

日本人が忘れた「SIN(罪)」
今の日本にゴジラが現れたらどう対処するか、という1点にのみ絞った超リアルなサスペンス映画でした。
これほどまでにリアルな映画は、今の日本では作れないと思っていました。
ゴジラは確かに出てきます、出てきますが、フィクションはそこだけ。
劇中で行われるゴジラへの対応は、制作段階で政府関係者に協力を仰ぎシミュレートされた、本物の対応だそうです。
(映画を見る限り対応を美化していないのでガチっぽいです)
日本という国が現実に抱えている問題が、ゴジラという虚構を通して描かれるのです。
こんな映画を作ったら、叩くのが大好きなテレビ制作会社や言いたい放題言えるネット掲示板から何を言われるか分かりません。
それでも、やってくれました。
キャッチコピーの「現実(ニッポン)対虚構(ゴジラ)」に偽り無しです。
しかしながら情報量がめちゃめちゃ多いので観た後結構疲れますけど…。

同時に、特撮映画自体にも新しい切り口で挑まれていました。
着ぐるみ特撮にこだわりを持つファンが多い中、フルCGというこれまでに無い選択肢が取られていました。
かく言う私もミニチュア特撮が趣深いと感じる側にいる人間です。
ただそれは、「類稀なセンスを持っている特撮マンがいた頃」の特撮であり、今はCGでやるほうが妥当でしょう。
劇中のゴジラと自衛隊との攻防戦は、これまでのゴジラ映画、もちろんハリウッド版を含めても最高レベルの迫力で見せつけてくれました。
中盤までは痛がりもせず、反撃もせず、ただこちらをじっと見てゆっくり歩いてくるゴジラの不気味さと、少しダメージを与えて「ちょっと勝てるんじゃないかな~」とか思わせておいて終盤になってついにゴジラが反撃を始め、1分もかからず東京を焼け野原にした時の絶望感が良い対比になっていて、最後まで目が離せない展開が続きました。

これまで「ゴジラである事」に束縛されていたゴジラ映画は、この作品で変わってくれました。
何もかもです。
誰も作ろうとしなかった、全く「新」しいゴジラ。
初代ゴジラのみが持っていた、意思疎通が図れない怪獣としての「真」のゴジラ。
庵野監督が言うように「シン」には確かにいろいろな意味が込められています。
(監督が監督だけに実写版エヴァかよ、という評価もありますが、私は嫌いではありません。ただしエヴァの音楽を使ったことに関してはこの作品唯一の不満です)
観た人がそれぞれ「シン」の意味を感じてくれればいいのです。
私は冒頭の「SIN(罪)」と感じました。

日本映画はここまでやれます。
今公開されている映画はどれも面白そうですが、観に行く映画の選択肢に『シン・ゴジラ』を加えてみてはいかがでしょうか。



映画紹介 | コメント:0 | トラックバック:0 |

Get away from her , you bitch !

第100回 2014年1月8日
エイリアン2
ALIENS
エイリアン2

新年あけましておめでとうございます。
おかげさまで更新100回を迎えることができました。


記念すべき100回目にご紹介するのは、世界を想像を絶する恐怖に陥れた大ヒット作の続編、『エイリアン2』です。
思い返してみれば、私は人生でこの映画を100回以上観ていますが、何度観ても観入ってしまいます。

実はこれ以降傑作を撮り続けるジェームズ・キャメロン監督初の超大作で、「2作目は当たらないジンクス」を打ち破り大ヒットを記録、名実共に名監督の仲間入りを果たしました。
『アビス』の時にも言いましたが、今作も劇場公開版と完全版で結構印象が変わります。
ストーリーラインは同じでも物語に一層の深みが出る。
リプリーが命をかけてまで孤児であるニュートを守る理由とかね。
対するエイリアンも単なる殺戮者ではなく、子を守るために命をかける。
文字通り、子を守る母同士の対決。
終盤エイリアンクイーンに対して放つリプリーの名言、「Get away from her , you bitch !」
(こればかりは“bitch”をどう訳したらいいのか、未だに分かりません…日本語吹替では「その子から離れなさい、この化物!」でしたが、これだとクイーンも母であることが伝わりにくいんだよなぁ)

他作品にも言えますが、根底にあるキャメロン監督の思想、それは

「母は強い」

さて、凶悪な異星生物との対決を描いたSFアクション大作『エイリアン2』、必見の一作です。
苦手なジャンルの方も、一度手にとってみてはいかがですか?




テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

映画紹介 | コメント:0 | トラックバック:0 |
| ホーム |次のページ>>